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慶應大学湘南藤沢キャンパス(SFC)のバリアを探そうワークショップ

寺澤裕太

2023年5月18日

〜誰もが心地よく過ごせる大学に向けて、私たちは誰の声を聞くべきか〜


2023/5/15 (月)に、「湘南自治会」という慶應義塾大学公認学生団体とのコラボ企画を実施しました。今回行ったのは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (通称SFC) のバリアフリーを検討・考察するワークショップでした。


これまで既に、総合政策学部・環境情報学部のOBの一部がキャンパス内のバリアフリーの不足点や、障害のある学生に対しての大学や教員のサポートに関する現状は調査してきたほか、現在いる障害のある学生たちに聞き込みを行なうということは頻繁に行なってきました。



それらを踏まえれば、SFCというキャンパスが障害のある学生にとって未だ優しくない環境である点が多いことは自明のことであり、もちろん、湘南藤沢キャンパスに日々通っている学生が中心となって、実際にフィールドワークを通してバリアフリーについて考えるというのは非常に意義深いものであるので今回実施したのですが、もはやそれだけでは意味がなく、ステージとしては、それ単体ではなくその先の「どうすれば良くなるのか」「どこを具体的にどう変えるのか」「実際に改善する」などを考え実践することこそが重要だ、というのがSFC-IFCとしての考えであり方針です。


当日は、大学の講義の時間割でいうところの6限の時間(18:10-19:40)を使って実施しました。SFC-IFCから9人、湘南自治会などその他の学生が13人の合計22人ということで、それなりの規模感のあるワークショップとなりました。


大きな流れとしては、最初に教室で集まって、ワークショップの趣旨とフィールドワークの方法、そして、SFC-IFCのメンバーである金澤さんから、「障害とは何か」というタイトルで5分ほどの講演をしてもらいました。


障害の捉え方として「医学モデル」と「社会モデル」というものがあることを分かりやすく説明してもらいました。



フィールドワークでは22人が3チームに分かれ、それぞれのチームでSFC-IFCのメンバーたちが、バリアフリー全般や、特定の障害者の立場から見たバリアについての見え方、考え方などを説明しながら引率しました。


ポイントの一つとしては、「どんなバリアをどう改善すればいいかは、同じ障害類型でもバラバラ」であり「一人ひとりのニーズや見え方は違う」ということ。実際に、困ってそうな人を見つけても困っているとは限りません。



社会や学校、専門家が言っていることでも簡単に信用してはいけない、あくまで寄り添うべきはその「本人」なのだということを私たちSFC-IFCは強く伝えたいのです。


そんなワークショップは無事成功したと言っていいものになったと思っています。また後日、感想アンケートも取ることになっていますが、普段はあまり関わらない障害者(SFC-IFCには障害のある人が何名も在籍しています)との交流、そしてその生の意見・動き方を目の前にして、全員が新鮮な何かを感じ取ったことだろうと思います。



フィールドワークの後には、ディスカッションタイムも設け、バリアを分類するとしたら、どのような分類があるか、どのような分類のバリアから優先的に解決していくべきか、など具体的な解決に向けての議論も行いました。


今後もSFC-IFCとしては、湘南藤沢キャンパスのバリアフリーはもちろんのこと、社会全体に広がるバリアの海を、少しでも改善して多くの人が「排除されている」と感じることのない環境づくりを目指して活動していきます。


引き続き、応援していただけましたら幸いです。


最後に、この場を借りて、今回このような素敵なワークショップを作る機会を設けてくださった湘南自治会の皆様にも心から感謝申し上げます。ありがとうございました。






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