就労継続支援A型・B型施設の委員会で超短時間雇用についての説明及び意見交換会を行いました。
寺澤 裕太
2023年3月23日
1時間を超える熱い議論。新しい雇用の形に就労支援事業者は何を思う。
2023/03/23 社会福祉法人オリーブの樹が運営するオリーブ轟(千葉県千葉市)にて、SFC-IFC代表の寺澤が就労に関する委員会に出席しました。
オリーブ轟は就労継続支援A型及びB型作業所。法人としては、A型とB型施設以外にもグループホームやヘルパーステーションなども展開しています。
この日は寺澤が超短時間雇用について説明をし、それを踏まえて質疑応答や意見交換。これまでに無い新しい雇用の形に最初は驚いていた方が多かったものの、すぐに「現実的な課題は何か」「自分たちには何ができるか」など、積極的に意見が飛び交いました。毎日関わっている利用者さんたちにそれぞれが思いを巡らせながら、できないことを前提に考えるのではなく、むしろ「どうしたら実現できるのか」が話し合われる非常に有意義な場となっていました。
時代としても、障害の定義が広がり、障害者と呼ばれる人口も増え、その一方で日本全体の人口は減少していくこれからの社会。当然、人手が足りなくなる企業も多く出てくるはずなので、工夫すれば障害を持っていたとしても必要とされる場面は多くなるというような意見もありました。
また、オリーブ轟はA型作業所とB型作業所の双方を運営しているため、この日も双方の担当者が出席されており、A型とB型、それぞれの違いは何なのかという、制度や障害そのものについての深い議論も行われました。
その中では、B型作業所の利用者でも、作業内容によってはA型作業所の利用者よりも高品質な仕事をすることが少なくないという意見が出ました。結局のところ、A型とB型を隔ているのは、職場での仕事をほとんど一人で「完遂」できるのか否かで、一つひとつの作業の質は反映されないのが少し違和感や罪悪感がある、という話にもなりました。
実は、B型作業所の利用者が非常に丁寧で高品質な仕事をすることは、福祉業界、特にB型作業所のある施設ではよく知られています。私寺澤自身、様々な施設と関わりを持っていますが、どこの施設に言っても同じことを耳にします。
どこに「対価」を支払うべきなのか。
どこに「価値」を見出すのか。
雇用を考える上では、こういったことも問い続ける必要がありそうです。
お話しさせていただく中で、どうしたらもっと利用者さん皆んなが楽しく毎日過ごせるかを真剣に考えている意見が多く、とても心が温まる思いでした。「利用者」と一括りで話していますが、そこには一人ひとり、それぞれの人格、人生が存在します。私たちがそもそも対峙しているのは、雇用でも労働でもサービスでもなく、人なのであるということを忘れずに引き続き活動を続けていきます。
SFC-IFCでは、超短時間雇用についての知識の普及活動及び、超短時間雇用をはじめとした障害のある人でも柔軟に働くことを許される世の中を目指して、企業の仕事と障害のある人のマッチングを進めていきます。
お力添えいただける個人、団体の皆様はぜひお気軽にお声がけくださいませ。
また、ご相談やお悩み事がある方もお気軽にご相談ください。