No.0021 伏木 和香
IMP 企画・映像編集
機械を通した音しか知らない私だからこそ分かること、実現したいこと
聴覚障がいというバックグラウンド
"初めまして。慶應義塾大学、環境情報学部1年の伏木和香です。
読書、映画を見ることが趣味でCGや映像制作に興味があります。本屋であてもなくぶらぶらする時間や、一人旅で旅先の見知らぬ景色を眺めて思索に耽りながらぼーっとするのが好きです。
私は生まれつきの聴覚障害があり、普段の生活では補聴器を装用しています。会話では読唇を使うこともしばしば。
補聴器を外すとほとんどの音は聞こえません。テクノロジーの恩恵を大いに受けつつ、ある意味補聴器という形で身体を拡張した「機械を通した音」しか知らない、ということになります。例えば、私が普段耳にしている補聴器を通して聴く音楽と、皆さんが聴く音楽の感覚はまた違ったものなのかもしれません。
小さい頃から大学病院で言語指導を受けたり、耳鼻科に通ったり……
そんな経験を経て、口話も含め言語能力には問題なく成長できました。
私は大学まで普通級で過ごしてきました。そのバックボーンもあり、今は手話は使わず、読唇と口話だけで生活しています。必然と長らく(そして多分これからも)周りは聞こえる人、私は聞こえないというマイノリティの立場に置かれてきました。
楽だったと言えば嘘になります。周りの人との埋められない差を突きつけられ、苦い思いをすることも沢山ありました。しかし、そんな中でも周りの環境に助けられ、また自分でもある程度勉強に力を入れたり、自分なりのアイデンティティを模索し、ありがたいことにSFC(=慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)という恵まれた環境で過ごしています。
"
SFC-IFCと、分野横断型キャンパス"SFC"で何をする……?
"映画館にて。鑑賞者の口からどっと笑い声が漏れる。そんな中一人セリフが聞き取ることができずに取り残される感覚。
映画館での映画鑑賞は好きですが、一部字幕に対応していなかったり、バックの音楽の影響や読唇が難しいカメラワーク……など色々な要因が重なると話の内容が理解できないことがあります。
聴覚障害によって享受できるエンタメの幅が狭められていることを実感する経験でした。
これをきっかけに、テクノロジーにより身体を拡張して享受できる、また多様な感覚を同時に研ぎ澄ましながら鑑賞できるアート作品、エンタメ体験の創造に興味を持っています。
SFC-IFCというインクルーシブについてアンテナをはれる環境、また、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)という分野横断的に様々なことに取り組める環境を最大限活かして、これらの分野におけるノーマライゼーションに一歩近づけるようなものを作ることが目標の一つです。"
最後に
"ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
SFC-IFCの活動を通して、自分のビジョン達成に向けまた一歩前進できればと思います。
よろしくお願いいたします。"
-
-
-
-
-
-
---