
東京国立博物館の新プロジェクト!視覚障害当事者を対象にした調査をSFC-IFCが監修・運営

ミカンベイビー合同会社
2025年8月20日
当事者共創!東京国立博物館「東洋館インクルーシブ・プロジェクト」にミカンベイビー合同会社がコンサルティング。SFC-IFCを中心 にした調査による着実な理解・発見と、具体的なアクションのサイクルへ。
独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 (東京都台東区)は、コレクションの保存と活用、展示、教育、サービスなど包括的な視点で未来を見据え、サステナブルかつインクルーシブなミュージアムを目指すため、「東洋館インクルーシブ・プロジェクト」をスタートしました。
ミカンベイビー合同会社は東京国立博物館が行う本プロジェクトにおいて、同社が運営する福祉コミュニティ型ラボ「SFC-IFC」を中心に、福祉や障害、多様性など、広くインクルーシブに関わる専門的知見やネットワークに基づく調査やコンサルティングを提供しています。
当事者共創型のプロジェクト
「東洋館インクルーシブ・プロジェクト」は今年度から新たにスタートしたものです。プロジェクトの企画第 1 弾として、東洋館で開催する「博物館でアジアの旅」(2025 年 9 月 23 日(火・祝)~11 月 16 日(日))の会期中、視覚障害者の方も楽しめるハンズオンや音声ガイドを展開、点字マップを配布します。
また、視覚障害者の方とアテンドの方にも楽しく安心して鑑賞いただけるよう、会期中は“おしゃべりフリー”な東洋館として、対話のしやすい環境をつくるなど、多くの取り組みを行います。
当社では、博物館側の一方通行的な取り組みではなく、視覚障害の当事者が本当に必要とするものを共創的に一歩ずつ実現することが重要だと考えています。研究員の皆さまが今回のプロジェクトの企画を考えるにあたって、まず当社監修・運営のもと、東洋館への見学会実施とそれに伴う聞き取り等の調査を実施しました。
これにより、館内の展示を司る研究員や職員の皆さまの視覚障害に対する理解や現状の課題の洗い出しが進んだことはもちろん、より身近で現実的な問題意識として捉えていただく機会となりました。

調査にとどまらない具体的な取り組み
共創型の取り組みが重要なのと同様に、具体的なアクションに落とし込むことが重要です。東京国立博物館は、東洋館の収蔵品にまつわる音声ガイドとハンズオンの制作に既に着手しています。
全盲の美術鑑賞研究者である半田こづえさんと、東京都庭園美術館や長野県立美術館等にて視覚障がい者向けの教育ツールのデザインに携わってこられた齋藤名穂(UNI DESIGN)さんが制作に関わっています。さらに、ハンズオン「漢字の『手』をさわってみよう」では、彫刻家の大曽根俊輔さん、彫刻家の冨長敦也さん、studio「仕組」の河内晋平さんが参画されています。
そのほか、調査によって研究員の皆さまが得た「当事者にとってのアテンドとの対話の重要性」の気づき(アテンド = 一緒に体験して楽しんだり、時にガイドしたりと、共に行動する人。ここでは必ずしもガイドヘルパーのような専門職のことを指さない)。会話が憚られると、視覚障害の方は十分に楽しめない場合が多いということです。当事者の方々に安心して鑑賞をお楽しみいただけるよう、「博物館でアジアの旅」の会期中は、“おしゃべりフリー”な東洋館とすることになりました。
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