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No.0044 青木悠弥

IMP

人それぞれの「普通」が受け入れられる
選択肢の多い社会へ

私を支えるもの

突然ですが、「今のあなたがここにいるために必要だった経験や条件はなんですか?」と聞かれたら、まず最初に何を思い浮かべるでしょうか。きっと私は、「新たな世界を見せてくれる人たちとの出会い」と答えるでしょう。

 私は、インドア系なら読書やアニメ視聴で、アウトドア系なら旅行やキャンプなどが好きな20代です。また、4歳から視覚障害があります。見え方としては、目の前に立っている人の輪郭は見えるけれど、表情までは見て取れず、文字が書かれているのは分かっても目でそれを読み取ることはできない程度です。「その視力でアニメとか旅行とか楽しめるの?」と驚かれることもありますが、あれこれと工夫をしながら日々を楽しんでいます!知り合いには「ずっと泳いでいないといけない回遊魚みたい」と言われてしまうくらい、予定を詰め込みがちな性格です。

 なぜ私が活動的になれたのかといえば、もともと人と話すことが好きで、私をサポートしてくれる人たちに恵まれたからです。示された選択肢から迷いながらも挑戦した事を通して、充実感と自分が成長できているという実感を味わうことができました。それを繰り返すうちに、充実感や成長したいという好奇心を押さえられない回遊魚のできあがりです(笑)。人に頼ること、コミュニケーション力、あとはちょっとした好奇心があったから、選択肢を広げていくことができたのだと考えています。

大きな目標

私には、「社会の中で選択肢が少ない人々の選択肢を広げたい!」という夢があります。この大きな目標を叶えるためには、私自身が視覚障害という選択肢が少ない状態になりやすい当事者の1人として行動することに加えて、自分自身の中の多様性に対するアンテナを広げていくことも必要だと考えています。

 今、性的な差別やハラスメント、暴力を防ぐことができる存在として、被害者や加害者、専門機関とは異なる第3社の存在が注目されています。それはアクティブ・バイスタンダー(行動する傍観者)と言われています【注1】。現場で見て見ぬふりをするのではなく、行動するためにはどのような姿勢が必要なのでしょうか。個人的な思いとして、私は「自分自身の周囲に対するアンテナを持ち続けること」と「他人事ではなく、分かる範囲で当事者の文脈を理解しようと努力すること」が大事なのではないかと思っています。同時にアクティブ・バイスタンダーという姿勢は、社会の中に存在するあらゆる差別や無関心にも当てはまると考えています。もちろん、自分が知らない人のことは分からないし、知らないまま行動を起こすことには怖さを感じます。それでも、当事者にはなれないとしても、沈黙する傍観者から行動する傍観者にならなれると考えています。そんな人々が社会に増えたら、今よりも少しだけ生きやすい社会になると思います。

SFC-IFCでやりたいこと

私は、マジョリティと呼ばれる限りなく社会が求める中央値を基準にした社会ではなく、誰もがその人自身の普通を語り合い、完全に共感しなくてもその人の世界に理解を示すことができる社会に1歩でも近づきたいと考えています。そのために、私は私自身が当事者性を発信するとともに、情報収集も心がけていきたいと考えています。

 私は少しだけ見えていますが、視覚的な情報に頼らずに生活する術も用いながら生きています。見えづらい世界もそれに合わせた生活も、私にとっての普通です。しかし当事者にとってはいつも通りだと思うことであっても、他人にとってはそうではないことがあります。当事者には当事者の文脈や、ある種の文化があるのだと思います。そこで私は、自分自身の普通を発信したいと考えています!

 そしてIFCを通じて出会う人たちとたくさん話したり活動したりしながら、私の中の多様性に対するアンテナを広げていきたいとも考えています!

 ここまで長文を読んでいただきありがとうございました!改めまして、これからよろしくお願いいたします!!

参考
【注1】YouTube「#ActiveBystander=行動する傍観者」、https://youtu.be/sp1e9hKZ97w(2024年4月24日参照)

No.0044 青木悠弥

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